先輩看護師の声 INTERVIEW

技術を磨き、
精神を支える教育を
大切にしています

T.Mさん
副看護部長 / 1999年入職
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看護師への第一歩

私は中部国際医療センターで副看護部長を務めています。主に教育全般を担当し、多くの看護師が安心して成長できる環境づくりに力を注いでいます。当院で看護師としてのキャリアをスタートさせ、今に至るまで、看護の現場とともに歩んできました。

看護師を目指したのは中学生の頃です。祖父母が入院した際、看護師さんが患者さんに寄り添いながらケアをしている姿を見て、「こういう仕事もいいな」と漠然と思ったのがきっかけです。特に深い理由があったわけではありませんが、資格を取りたいという目標と看護師という職業が自然に結びつきました。

また、実は体育教師になる道も考えた時期がありました。体育科のある大学か看護学校か、どちらに進むか迷ったのですが、結果として看護師を選んで本当に良かったと思っています。看護学生の頃は、勉強や実習が思っていた以上に大変で、時には「他の道に進んだ方がいいのでは」と迷うこともありました。それでも、実習先の患者さんからの感謝の言葉や、先輩看護師のサポートに励まされ、乗り越えてきました。

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看護師としてのキャリアを積む中で

卒業した看護学校が当院の付属校だったため、そのままの流れで中部国際医療センターへの就職を選びました。学生時代の実習で当院の雰囲気を知り、「ここで働きたい」と感じたことが決め手です。奨学金をいただいていたこともあり、まずは3年間働くことを目標に入職を決めました。

その後も現在まで当院で働き続けている理由は、教育体制や組織の成長を感じ続けているからです。入職当時は現在のように教育体制が充実しているわけではなく、まだ発展途上の部分もありましたが、現在では新人看護師をしっかりと育てる仕組みが整っています。この変化を見てきたからこそ、今では教育の面から病院全体を支える役割に全力を尽くしています。

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プリセプター制度からチームエデュケーション制度へ

当院の看護部の教育体制において、大きな転換点となったのはプリセプター制度の廃止です。15年ほど前まで導入されていたこの制度では、新人看護師に1人の指導者が付く形で教育が行われていました。しかし、指導者と新人の相性が悪い場合や、一部の指導者に負担が集中する問題がありました。

そこで導入されたのが、病棟全体で新人を育てるチームエデュケーション制度です。4年目以上の看護師が日替わりで指導をおこなうため、新人看護師が様々な先輩から学ぶことができ、指導する側の負担も軽減されます。また新人には、進捗状況を管理する担当者が付きますが、この担当者は教育そのものを一任されるわけではありません。あくまでチーム全体で支える体制を徹底することで、教育の質を保ちつつ、お互いに働きやすい環境を構築しています。

制度の導入初期は「新人の成長をどう支えるか」という考え方を全員に浸透させるまでに時間がかかりましたが、現在では、看護師全員がこの体制を理解し、活用しています。新人看護師にとっても、複数の先輩から指導を受けることで、幅広い視点を持つことができると感じています。

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技術と精神を養う新人看護師教育

当院では、新人看護師が着実に技術を身に付けられるよう、OJTによる現場教育を中心に、eラーニングや集合研修、ローテーション研修を組み合わせた教育プログラムを用意しています。まず現場教育では、配属先で先輩看護師のサポートを受けながら日々の業務を通じて実践的なスキルを学びます。1年目の終わりには夜勤の一人立ちができるよう計画的に教育を進め、看護師としての基礎力を養います。

eラーニングでは、厚生労働省が定めた新人看護職員研修ガイドラインに基づき、基礎的な看護技術を習得します。このプログラムは、自分のペースで学習を進められるため、特に実務に慣れるまでの新人看護師にとって負担が少なく効率的です。さらに、先輩看護師による技術チェックもあるため、学んだ知識を実践に結び付けることができます。

集合研修は、eラーニングや現場で学んだ内容の中から、特に演習が必要な技術に重点を置いています。講師の指導を通じて、技術を確実に身につける場として機能するとともに、同期同士のつながりを深める場でもあります。病棟配属後は同期と顔を合わせる機会が減りがちですが、集合研修を通じて進捗状況を共有し、お互いの成長を確認することでメンタル面でも支え合うことができます。特にコロナ禍で集合研修が中止された際に、孤立感を抱く新人が増えたことから、この研修の重要性を改めて感じました。

ローテーション研修では、ICUやER、オペ室、中央検査室など、特殊な部署での研修を通じて、幅広い知識や技術を学びます。これにより、患者さんへの説明やケアの幅が広がり、日常業務に役立つスキルが身につきます。また、特殊部署での経験を通じて視野を広げることで、自分の所属する病棟に戻った際、より自信を持って看護業務に取り組めるようになります。

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多くの看護師と向き合う日々

新人看護師が現場で直面する課題は多岐にわたります。業務の高度化や急変対応、患者さんの死に直面するなど、想像していた以上のプレッシャーを感じることも少なくありません。そのような時には、新人看護師との面談を通じて、一人ひとりが抱える不安や悩みを聞くようにしています。業務の遅れやスケジュール管理に悩む新人には、焦らず取り組む重要性を伝えつつ、メンタル面のフォローを行っています。また、新人の現状や希望を聞き取り、その内容を指導者にフィードバックしています。

また、師長や主任に対しては、指導方法の確認をしてアドバイスをしたり、進みが遅れていることはあまり考えずに、「どうすれば確実に技術を習得できるか」という点に重きを置いて、必要なサポートを適切に提供することを心がけています。

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独り立ちから一人前まで成長をサポート

当院で新人看護師がキャリアをスタートさせる最大のメリットは、充実した教育体制だと思います。チームエデュケーション制度の導入により、新人看護師は配属先の病棟や部署で多くの先輩たちとコミュニケーションを取りながら学ぶことができるようになりました。一人の指導者に頼る以前までの制度とは異なり、複数の先輩と関わることで学びの幅が広がり、質問もしやすい環境が整っています。また、新人看護師が早い段階から職場の雰囲気に慣れやすくなる点も大きなメリットだと思います。

さらに当院では、看護師が3年目までに確実に成長できるよう、計画的な教育を行っています。2年目や3年目の研修も勤務時間内で実施し、若手の看護師が安心して成長できる体制を整えています。1年目には独り立ちを経験し、段階的にスキルを磨いていくことで、3年目には自信を持って働ける看護師へと成長できる環境を提供しています。このように、看護師としての基礎を築き、一人前になるまでを全面的にサポートする体制が整っていることが、当院でキャリアスタートを迎える大きな魅力だと思います。

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当院への入職を考えている人へ

私のモットーは、看護部のスタッフ一人ひとりと積極的にコミュニケーションを取り、話しやすい関係を築くことです。日々この姿勢を大切にする中で、新人看護師たちも次第に顔見知りになり、不安や悩みを気軽に相談してくれるようになりました。看護師としてのキャリアをスタートさせる時期は不安や戸惑いが多いものですが、そうした時こそ「何でも相談できる場所がある」と感じてもらえることが重要だと考えています。私自身も当院で働く看護師たちが安心して学び、成長していけるよう、全力で支援していきたいと思っているので、ぜひ当院に来ていただけると嬉しいです。