産科での学びが、
助産師への
礎になっています
私は岐阜県可児市で生まれ育ち、実家から当院へ30分ほどかけて通っています。家族は父・母と5人きょうだいの7人家族で、私は双子の妹とともに生まれました。
医療の仕事に関心を持つようになったのは、家族の存在が大きかったと思います。年の離れた妹と弟がいるため、母の妊娠期から出産、育児までの様子を間近で見て育ちました。そうした経験を通じて、「命が生まれる」というかけがえのない瞬間に、自然と興味を抱くようになったのです。新しい命の尊さや、それを支える家族の温かさに触れ、「こんな瞬間に関われる仕事って素敵だな」と感じたことが、今の私の原点になっています。
お産に関わる職種には、医師や看護師などさまざまな選択肢がありますが、その中でも特に助産師に惹かれたのは、妊婦さんとより近い距離で関わり、身体だけでなく心にも寄り添える存在だと知ったからです。
不安や緊張がつきものの妊娠・出産の時期に、そばで安心を届けられる助産師という役割は、自分の理想と重なりました。そんな深い関わりに魅力を感じ、「私もこの道を目指したい」と自然に思うようになりました。
思い返せば、赤ちゃんや妊娠・出産に関わる仕事への憧れは、妹が生まれた頃から少しずつ芽生えていたように思います。もともと医療職には興味がありましたが、「自分にできるのかな」と不安もあり、なかなか踏み出せない時期もありました。それでも、「誰かの支えになれる仕事がしたい」という思いは変わらず、少しずつ目標に向かって歩みを進めています。
助産師になるには、まず看護師としての基礎をしっかり築くことが大切だと考え、高校卒業後は中部国際医療学院(旧:あじさい看護福祉専門学校)へ進学しました。姉の友人が同校を卒業後、助産師になったと聞き、身近で現実的な進路だと感じたことが、選んだ理由の一つです。また、自宅から通いやすく、奨学金制度も整っていたため、家族の負担を軽くできる点も大きな決め手となりました。
国家試験対策では、教科書に加えてYouTubeや学習アプリも積極的に活用しました。特に、スライドやイラストを使った動画の解説はわかりやすく、インプットとアウトプットを同時に行える点が自分に合っていたと感じます。朝一番に過去問を解き、その後に動画で復習するという形で、自分のペースで学びを深めていきました。
また、趣味のダンスで名古屋に向かう車の中では、国家試験対策の音声を聞き流しで活用するなど、スキマ時間も有効に使いました。集中力が続かないときには無理をせず、自分のリズムに合わせて取り組むことで、継続しやすかったと思います。
現在は、6E病棟で産科・婦人科・乳腺外科を含む女性疾患全般に関わる看護を担当しています。入職前は「産科に携わりたい」という思いが強く、赤ちゃんや妊産婦さんと関わる機会を中心にイメージしていましたが、実際には高齢の患者さんや、消化器・呼吸器など他科からの患者さんも多く、幅広い疾患や年齢層の方と向き合う毎日です。
最初は「想像していた産科とは少し違うかも」と戸惑うこともありましたが、今ではむしろこの環境だからこそ得られる学びが多いと感じています。手術を受けられる患者さんも多く、術後の看護や慢性期・急性期の対応まで、幅広い経験を積むことができます。産科に特化した環境では得られない視点や知識に触れられることは、今後に向けて大きな力になると感じています。
また、妊婦さんへの直接的な介助は助産師が担当しますが、看護師も「外回り」や「受け」と呼ばれる役割で関わる機会があります。たとえば、赤ちゃんを受け取ってケアを行ったり、必要に応じて蘇生を担当したりと、看護師として求められる知識や技術の幅も広いです。私自身、何度かそのような場面を経験させていただきましたが、こうした経験ができるのは、当病棟ならではの魅力だと思います。
私はもともと、「将来は助産師になりたい」という明確な目標を持って看護師になりました。しかし実際に現場で働く中で、必要とされる知識や責任の重さに圧倒されることも多く、ジェネラリストとして幅広い知識と技術を身につけることの重要性を強く実感しています。さまざまな疾患や患者さんに対応する中で、看護の奥深さを改めて感じる毎日です。
そんな中で、私が目標にしているのは、同じ病棟で働く先輩の姿です。学生時代から知っていた方で、今は同じチームの一員として働かせていただいています。患者さんやスタッフからの信頼も厚く、どんな場面でも落ち着いて対応されるその姿から、多くのことを学ばせていただいています。
助産師という道は、今も変わらず目指したいと思っています。少子化で需要が減っていく現実や、自分の中で揺らぎが生まれることもありますが、それでも「目指さない」という選択をしたら、きっと後悔すると思います。だからこそ、まずは看護師としての土台をしっかり築き、その先につなげていきたいと考えています。
看護師という仕事は、責任の大きい場面も多く、時には悩んだり迷ったりすることもあります。ですが、それ以上に「人の人生に深く関われる」、誇りを持てる仕事だと私は実感しています。まだまだ学びの途中ではありますが、身近に「こんなふうになりたい」と思える先輩方がいてくれることが、日々のモチベーションにつながっています。
もちろん、誰にでもしんどい時期や迷う瞬間はあると思います。私自身も「本当にこの道でよかったのかな」と立ち止まりそうになったことがありました。そんなときは、無理に頑張ろうとせず、自分のペースで趣味を楽しんだり、少し立ち止まったりしながら、うまく気持ちを切り替えるようにしています。私にとっては、ダンスや音楽がその大切な時間になっています。
看護の道に進む理由は人それぞれです。明確な志を持っている人もいれば、安定した収入や働きやすさを求めて選ぶ人もいると思います。どちらも間違いではありませんし、大切なのは「どう働くか」だと感じています。どんな理由でこの道を選んでも、患者さんと向き合う中で、自分なりのやりがいや意味を見つけていけるのではないでしょうか。
これから看護師を目指す皆さんも、自分らしく、無理のないペースで歩んでいってください。そして、いつかどこかで一緒に働ける日が来たらうれしいです。