新人看護師教育

目的

看護師として必要な社会人及び専門職としての姿勢や態度、ならびに基本的看護の知識・技術について安心・安全な看護ケアを提供するための臨床実践能力を習得する。

目標

• 看護職員として社会人、組織人として責任ある行動がとれる
• 部署におけるチームメンバーの一員として役割と責任を果たすことが出来る
• 基礎的な看護知識・技術・態度を習得し、安全で確実なケアが実践出来る

当院で行う新人看護職員研修

1. 新人看護職員集合研修（クリニカルラダーレベル新人）
2. 新人ローテーション
3. 現場教育
4. e-ラーニング

新人看護職員到達目標

①「看護職員として必要な基本姿勢と態度」についての到達目標

看護職員としての自覚と責任ある行動

• 医療倫理・看護倫理に基づき、人間の生命・尊厳を尊重し患者の人権を擁護する
• 看護行為によって患者の生命を脅かす危険性もある事を認識し行動する
• 職業人としての自覚を持ち、倫理に基づいて行動する

患者の理解と患者・家族との良好な人間関係の確立

• 患者のニーズを身体・心理・社会的側面から把握する
• 患者を一個人として尊重し、受容的・共感的態度で接する
• 患者・家族にわかりやすい説明を行い、同意を得る
• 家族の意向を把握し、家族にしか担えない役割を判断し支援する
• 守秘義務を厳守し、プライバシーに配慮する
• 看護は患者中心のサービスであることを認識し、患者・家族に接する

組織における役割・心構えの理解と適切な行動

• 病院及び看護部の理念を理解し行動する
• 病院及び看護部の組織と機能について理解する
• チーム医療の構成員としての役割を理解し協働する
• 同僚や他の医療従事者と適切なコミュニケーションをとる

生涯にわたる主体的な自己学習の継続

• 自己評価及び他者評価を踏まえた自己の学習課題をみつける
• 課題の解決に向けて必要な情報を収集し解決に向けて行動する
• 学習の成果を自らの看護実践に活用する

② 看護実践における技術的側面習得項目

1. 環境調整技術
2. 食事援助技術
3. 排泄援助技術
4. 活動・休息援助技術
5. 清潔・衣生活援助技術
6. 呼吸・循環を整える技術
7. 創傷管理技術
8. 与薬の技術
9. 救命救急処置技術
10. 症状・生体機能管理技術
11. 苦痛の緩和・安楽確保の技術
12. 感染予防技術
13. 安全確保の技術
14. 死亡時のケアに関する技術　　

※技術チェックリスト参照

③ 管理的側面習得についての項目と実践内容

安全管理

• 施設における医療安全管理体制について理解している
• インシデント事例や事故事例の報告を速やかに行っている

情報管理

• 施設内の医療情報に関する規定を理解している
• 指導を受けながら、患者等に対し適切な情報提供ができる
• プライバシーを保護して医療情報や記録物を取り扱える
• 指導を受けながら、看護記録の目的を理解し看護記録を正確に作成できる

業務管理

• 業務の基準・手順に沿って実施できる
• 指導を受けながら、複数の患者の看護ケアの優先度を考えて行動できる
• 業務上の報告・連絡・相談を適切に行える
• 指導を受けながら、決められた業務を時間内に実施できるように調整できる

薬剤等の管理

• 指導を受けながら、薬剤を適切に請求・受領・保管できる（含、毒薬・劇薬・麻薬）
• 指導を受けながら血液製剤を適切に請求・受領・保管できる。

災害・防災管理

• 指導を受けながら、定期的な防災訓練に参加し、災害発生時（地震・火災・水害・停電等）に決められた初期活動を円滑に実施できる
• 施設内の消火設備の定位置と避難ルートを把握し患者に説明できる

物品管理

• 指導を受けながら、マニュアルに沿って適切に医療機器、器具を取り扱える
• 指導を受けながら看護用品・衛生材料の整備・点検ができる

コスト管理

• 指導を受けながら、患者の負担を考慮し、物品を適切に使用できる
• 指導を受けながら、費用対効果を考慮して衛生材料の物品を適切に選択できる

実際の方法について

新人看護師の研修は、配属部署にて作成される年間計画表及び日案、週案等に沿って進める。

新人ローテーション

現場教育

看護実践における技術の習得はチェックリストを用いて指導者に評価を受ける。

研修の実施について

集合及び部署内にて行う。
ｅ‐ラーニング（ナーシングスキル）を視聴（手順確認、動画確認、テストの実施）して知識の習得や予習、復習等に活用し、実践で教育を受ける。

新人看護師の1年間